※アクセス数が多いため追記しておきます

※こちらの記事は2014年当時の古い記事になってます。提案ロジックとしては新しい考え方も出てきているので、そのうちまとめますが、取り急ぎご了承ください。乞うご期待。

※あと仕事してて、これおれのブログ記事やんってなったこともあるので、このロジック持ち出すときはくれぐれもご注意ください笑 


年末年始って素敵ですね。さっき「横道世之介」のDVD観たんですけどアレ超いいですね。何で映画館で観なかったのか後悔の念しかのこらない年末です。さてこんなに毎日映画観てて大丈夫なのか、正直不安ですが、世のためひとのためにちょっと時間を使ってみたのでエントリーを書こうと思います。

tvcm&videoad

お題はテレビCMとオンライン動画広告。ガチンコで比較すると結局どっちが効率いいの?という話だ。

 

 

はじめに

結論から先に書きますが、僕は動画広告のプロダクトセールスしたいわけでも無ければ、テレビCMが無くなるとも思っていません。シンプルにこれから広告を出稿しようと検討しているクライアントの予算を最適に分配するとしたら、何をとっかかりに考えれば良いのか、そのヒントにでもなればと思っています。論旨はこんな感じでいこう↓

 

①テレビCMとネット広告(分かりやすいように動画広告に特化します)の特徴

②どちらが効率が良いのか、一応計算してみる

③テレビ、ネットの理想的な使い方について

 

テレビCMと(オンラインの)動画広告の特徴について

単純比較するだけだと使い分けの話にならないので、とりあえず両者の特徴を簡単にまとめてみました。

 

tvvsvideoad

 

こうしてまとめてみると、テレビの最大の効果って「交渉の材料にする」というところかもしれませんね。一般消費材、特に食品や飲料関係はターゲットが幅広いので、テレビでの圧倒的な露出量を交渉材料に、流通(コンビニやスーパー)側の販売棚を確保する、というのは納得できます。

一方でオンラインの動画広告(以下“動画広告”と記載)の良いところはターゲティング性、視聴時間帯や番組のテーマで出稿を決定するのとは違い、インターネット広告の配信技術できめこまやかな出稿が可能なところがポイント。

 

どっちが効率が良いか問題

話をシンプルにするために、今回はテレビCMの前提として、1%=単価で計算する買い方を想定します。キー局の全国ネットであれば相場は定価で50万〜100万円なはず(ちなみに全国ネットのCMは30秒)だから、ここはパーコストは70万円としておこう。

 

全国民がターゲットの場合

机上の空論だけど、1%だけに出稿できたとする。日本の全国民は統計局のデータから「約127,797,000人」→ 個人視聴率が1%ということはざっくり「1,277,970人」。厳密にいうと重複を含むから、これは甘過ぎな試算ですが。

 

【テレビCM】1,277,970 user = ¥700,000-

 

オンラインの動画広告はテレビと違って、1回の表示(配信という定義がちょっとテレビと違う)に対して課金されます。動画DSPの配信単価がだいたい0.7円〜数十円ぐらいとのことですが、いったんシンプルに1配信=2円と仮定すると、1,277,970 userにリーチするためにかかる費用を計算して下記の通り。

※YouTubeの場合は「完全視聴単価」と言って動画を最後まで観たユーザーにしか課金されないケースもあります

 

【オンライン動画広告】1,277,970 user = ¥2,555,940-

 

計算するまでもないけど高い苦笑。

 

例えば「今回の商品はF1( 20~34歳の女性のこと)がターゲットです!」の場合

とはいえ、日本全国民に広告したい!なんて商品、そうないはず。たいていは「この商品は20代後半の働き始めて数年経って疲れを感じている女性」みたいなオリエンのはずなので、ターゲットを絞って計算してみる。今時分「F1( 20~34歳の女性のこと)」なんて呼び方は古いんですが、ここはF1を狙ってみましょう。

統計局のデータからすると20~34歳の女性は人口全体の8%、10,649,000人。テレビ広告の計算の仕方が難しいですが、先ほどの計算で全国一律に1%ずつリーチできることは分かりました。なので10,649,000人の1% → 106,490人へは、70万円でリーチが可能。

※テレビCMはターゲティングができないため先ほどと同じ出稿料金、という想定

 

【テレビCM】106,490 user = ¥700,000-

 

一方の動画広告を考えてみると、1配信=2円なので、下記の通り

 

【オンライン動画広告】106,490 user = ¥212,980-

 

これだとオンライン動画広告のほうが安価になります。6円後半でちょうどトントンといったところでしょうか。配信単価6円ぐらいって運用ベースでいくと割とリアルな数字なようにも思います。この試算は「美容に興味がある」「ファッションに興味がある」といった興味感心別ならもっと効果的なはずだ。

※計算甘いんで詳細なデータとかお持ちの方はご指摘ください。

 

で、どう使います?テレビCMとネットの動画広告

上記の例はあくまでざっくり乱暴に計算してみただけなので、目安にしかなりませんが、分かることとしてはこんな感じでしょうか。

 

①オールリーチであれば、圧倒的にテレビ広告のほうが安価

②特定の年齢に向けた商品やサービスの場合はオンライン動画広告のほうが安価(なケースもある)

③単純にどっちが安いですか?で出稿しないほうが良い

 

あたり前ですがコミュニケーションプランは「点でなく線、面」なので、「安いほうに出稿します」というのは間違い。各メディア、コンタクトポイント毎に最適化されたものが、一連のストーリーになってないと適切にメッセージが伝わりません。

この議論で見落としているのは「オンライン動画広告のメリットってなんだったっけ」という部分 、つまり「ターゲティング性能」だ。インターネット広告は興味・感心毎にセグメント配信が使えるし、素材も変えられる。例えば主婦には素材①、美容に興味ある20代には素材②、その他には素材③といったふうに広告を運用配信できる。リーチ性をを活かした告知ならテレビCMだし、ターゲットの生活シーンに沿った内容の動画を配信するならオンライン動画広告のほうが向いてる。

上記の考え方を踏まえると、こんな感じが一番理想的なんじゃないかな、と思います。

 

communicationplan01

 

例えば、クルマの広告ならメインターゲットや新発売の告知はリーチ重視のテレビ広告で実施、ニーズ毎のメッセージはシーンに合わせてそれぞれ用意した素材をターゲット毎に配信していく、こんなイメージ。

当たり前ですが業種や戦略によってそれぞれの訴求内容は変わるし、テレビ広告でバイラル動画的な面白さで圧倒&ネットの動画広告でフォローなパターンもあるかもしれません。広告の予算配分は単純に「どれが安いか」ではなくて、それぞれのメリット/デメリットをふまえてきちんと使い分けましょうってだけの話なんですけどね。

 

References

・統計局ホームページ/日本の統計-第2章 人口・世帯

・視聴率からの視聴世帯・人数の推定 | ビデオリサーチ

・CM投下量と認知率などの関係がわかるTV-CMカルテ | ビデオリサーチ

・動画広告の種類と活用方法|デジタルマーケティングラボ

・動画広告をより加速させる動画DSPの活用メリットについて |Exchangewire Japan

・Advertising on YouTube(YouTube)

・TrueView 動画広告 – Google 動画広告

・Googleに巻き返しを図るYahoo 、動画広告事業を本格展開 | ACTZERO

・TubeMogul | ブランディング用に構築された動画広告

 

何かご指摘があれば

これはざっくり勘定の計算なので、もっと精緻にシミュレーションしてみたよー!っていう方、@naka_changまでご一報ください。できれば紹介したいです。

 

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