Zineを作ろう!と思い立ったので、「そもそもZineって何よ」というところから制作までやっちゃおうという連載企画、はじめました。まず最初はそもそもZINEとは何なのか?という下調べから始めてみたいと思います。

ZINEをつくってみたいと思ったきっかけ

開高健と洋酒天国

その昔「洋酒天国」という発行部数も少ない雑誌があった。

編集長兼発行人は、日本では元祖コピーライター、今では作家として知られている開高健。開高健はその頃、後にサントリーという名称に変更される「株式会社壽屋」という酒類製造・販売会社の宣伝部にいて、看板商品だったウイスキー「トリス」を置いているバーの常連客向けの広報誌として雑誌をつくることを思い立ち、当時専務だった佐治敬三に直談判。そうして1956年に創刊されたのが、サントリーの「洋酒天国」だ。

ちなみに、僕は洋酒天国の原本を一冊だけ持ってるけど、とても面白い。

編集しなおした文庫版のほかにも、当時のエピソードをまとめたインタビュー集なんかもあったりしてオススメです。

後に編集部は、サントリーのハウスエージェンシーであるサンアドへ移行、作家になる前の山口瞳みたいなメンバーが、編集部にどんどん入ってきて、サンアドは作家を輩出するクリエイティブエージェンシーのようになっていく。

創刊当初の発行部数は2万部ぐらいで、そんなに大規模なものじゃなかったらしいけど、後に作家となる編集メンバーによる気の利いたエッセイや様々な著名人による寄稿文、ヌードグラビアなど、他のPR誌とは一線を画す独創的なコンテンツが人気になり、最終的には20万部ぐらいまで発行部数は伸びていく。

僕がサントリーというブランドは粋でかっこいいなあと思うのは、今のTV-CMがそうだからではなくて、ずっと以前からこういうことをやる企業カルチャーをもっていたからかもしれない。中身を見た動画があったので貼っておきます。

創刊当初は、少人数でわいわいやりながら編集企画を考えて、ノリで発行する。むっちゃ楽しかっただろうなあと思って羨ましくなる。

少数でもいいから、雑誌をつくってみたい = ZINE

ふと、自分もこういう雑誌をつくってみたいなあと思い立った。

このブログだとだいたい1記事が長いもので5000文字ぐらい。30分ぐらいで記事は書いてるわけだから、1~2ヶ月かければ雑誌ぐらいのボリュームの文章なら書けるかもしれない。さらにいうと、普段から考えてるけど記事にしていない内容のものだったり、写真だったり、そういう雑多なものをかき集めれば、数十ページぐらいはいけるかも。

そうして、いろんな方法を探しているときに見つけたキーワードが「ZINE」だった。ZINEはマガジンの略でコピー機で気軽に刷って綴じただけの同人誌らしい。これは面白そうだ!で、Zineをつくろうと思い立った。

本音を書くと、仕事が広告企画・クリエイティブなので、もっとデザインとかレイアウト、ライティングを突っ込んで勉強してみたいと考えていたところで、時間もお金も割かずに休日の楽しみにピッタリだなとも思った。仕事に活かせる趣味というのは最高だ。しかも雑誌なので、コンセプトをきちんとたててプランニング~制作までの工程を経験できる。これは良い実験だ。

 

ZINEとは何か

ZINEって楽しそうだな。そう思ったはいいものの、そもそもどういったものをZINEと呼んで、どうやってつくるのかも見当がつかない。というわけでちょっと下調べから始めてみた。

ZINEは本屋さんやカフェに置いてあることもあるし、小規模に流通していれう本を専門に取り扱う本屋さんにも置いてあるらしい。確かにカフェでフライヤーの横にパンフレットみたいな冊子を置いてあるのは見たことあるわ。

自分のお気に入りのカフェとか、好きなショップにZINEを置いてもらうことで、ゆるいつながりが生まれるのも楽しそう。最近ではZINEイベントなるものもあって、思い思いにつくったZINEを買えたりするらしい。むっちゃ楽しそうやん。

ZINEは英語で「有志の人々が制作する、たいていの場合は少部数の、非商業的な(利益を出すことが第一の目的ではない)出版物」のこと。「MAGAZINE(マガジン)」から「FANZINE(ファンジン)」という言葉が生まれ、省略されて「ZINE」になりました。

日本では、これに重なる意味を持つものとして、ミニコミ・同人誌・自費出版・小出版物・自主出版物・リトルマガジン・リトルプレス……等々、さまざまな言葉および概念が存在しています。ここではこれらをひとまず全部ひっくるめて「ZINE」と呼び、「個人が自分の意思で好きなように作り、読まれる本」周辺文化に「特に」注目していきたいと思います。- – – 当店について – Lilmag—-zine and other publications.

「有志の人々が制作する、たいていの場合は少部数の、非商業的な(利益を出すことが第一の目的ではない)出版物」ってことは、要は小冊子みたいな、同人誌みたいなもの、というぐらいの定義。サイズもいろいろあって、厳密に「こういう企画だからZINE」とかそういう話ではないみたいだ。

 

どんなZINEにしたいかイメージしてみる

現時点で何も考えてないので、いろいろ調べながら手探りでやりたい。けど、ざっくりイメージとしては、こんな感じ。

  • 読んだひとが「へえ〜」となるものがいい
  • テーマは自分が詳しいか、調べてて面白い内容がいい。つくってて楽しそうだし。
  • スマホでも見れるとか新しい切り口をつくりたい
  • 内容は同じで、いろんな場所で見れるように(PDF、BCCKS、サイト、文庫本)
  • サイズどうしようかな

ZINEを作りたいというのもそうなんだけど、文章とかコンテンツをつくりたいイメージ。ざっくりいうと現代版の洋酒天国がつくれないかなと思ってます。

例えば、電子書籍で使われる、e-pub形式のコーディング方法とも勉強して、電子書籍やアプリとして楽しめるとか。そういう新しい体験を提供できないだろうか。

 

お手本にしたい雑誌のコンセプトとか

雑誌を手本にしたらダメだろ、とは思いつつも、やっぱりコンセプトに惹かれるのであります。面白かったのでいろんなZINEを紹介している動画を貼ってみます。

あとはZINEカルチャーが盛り上がった時期に、いろんなアーティストがつくっていたものなども、いま見てみると面白い。このものすごく適当につくってる感じがすごく良い笑。

元々はライブのフライヤーの延長線上だったり、スケーターの趣味とかみたい。でも雑誌の編集者がやるとやっぱすごいなあ。

 

まずZINEづくりにあたって用意/勉強するもの

デザインソフトとか、カメラとか

会社でつくるわけにいかないので、とりあえずAdobeのCreative Cloudメンバーになりました。AdobeのソフトはPhotoshopやIllustratorともに半端なく高額なソフトだったんですけど、最近では月額課金のサブスクリプション制になってます。

飽きたら解約すればいいし、僕はせっかくなのでこのブログもデザインとかこだわってみたいなあと思って、勉強がてらに加入しました。クレジットカードを登録するのが不安な方はプリペイドカードもAmazonで売ってるのでご参考までに。12ヶ月分は高いから僕は月額払いで、全部のアプリケーションを使ってます。

あとカメラは以前から持ってるRICOHのGR-Digitalです。僕が買ったときは2でしたが、もう4まで出ている・・・ご参考までに。

というわけで、何回続くか不明なわけだけど、ヒマを見つけてはいろいろチャレンジして挫折していく風景をアップしこうと思います。

ZINE制作の参考になりそうな本

とりあえずいくつか参考になりそうなものを買ってみました。

そのうちレビューするぜ!